フレームワーク分析
今日は、Value ChainやSWOT Analysisをはじめとする
フレームワークをもとに、
グループワークで企業分析を行いました。
今回はその一般のMBAと共通の授業。
非常に興味深かったのが、このフレームワーク
"The Strategy Clock"から広がった議論。
http://www.mindtools.com/pages/article/newSTR_93.htm
トピックは、"LCC(格安航空会社)はどの戦略を取るべきか"。
ビジネス特性上、価格は低く抑えるというのは言わずもがなですが、
ポイントは提供するサービスの品質。
インドのLCCで働いていたクラスメートAは、
"Hybrid"をチョイスしました。
実務経験者の意見は大いに参考すべきです。
「飛行機はフライトスケジュールの遵守(オンタイムの到着等)
が非常に重要。だから高品質のサービスを目指すべきだ。」
というのが彼の主張(ここでは、スケジュール遵守も広義の意味で
サービスとしています)。
一方、イギリスの大手監査法人で働いていたクラスメートKは、
"Low price"を選択しました。
彼は業務上、これまで100回以上は飛行機に乗った、といいます。
サービス利用回数の多い顧客としての意見もまた、大いに参考すべきです。
いわく、「そもそも飛行機に過剰なサービスは不要だ。」とのこと。
サービスの提供者と受益者、立場によって主張の内容が
随分異なることが見えて、非常に興味深かったです。
提供者であるAは、LCCを交通インフラとして捉えていて、
受益者であるKは、LCCを移動手段として捉えていました。
その結果、「サービス」と言われて想起するポイント
(=前提条件)が、双方で異なっていた。
だから目指す(求める)レベルも異なっていた。
だから結局、二人が目指す、求めるサービスのレベルは、
実は同等だったと僕は感じました。
それはつまり、「LCCは交通インフラとして、フライトスケジュールは
維持しつつ、移動手段として必要最低限のサービスのみを追求していく」
という志向性。
フレームワーク分析をして見えてくるものはあくまで表面的なものにしか過ぎず、
意見を述べている人が前提としている条件、抱えている背景、置かれている状況
といったものを意識的に見ていくことが本質的な理解につながる。
今回は、サービスの提供者と受益者、と立場が明確に分かれていましたが、
自分が会社の他部署と(つまり提供者内部で)やりとりをする場合、
相手も顧客へのサービス提供者、という点で共通の立場になります。
その中で、もっと微細な立場の違い(部署のミッションやKPI等)
を認識できるようになっていかないといけませんし、
状況は常に変化するので、継続的にアンテナをはっておかないといけません。
また新たな発見でした。
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