イギリスで学ぶサッカーMBAのブログ

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抱えているのは夢と希望だけではない

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イギリスに来て、1ヶ月を過ぎました。

クラスメートの人となりが、お互いようやく分かってきたかな、

という気がしています。

 

先日パブで隣同士になったあるクラスメートから、こんな質問をされました。

 

「通信員業務は最近どう?」

 

僕がようやくいくつか記事を書き始めたこと、

その内一つがサイトのトップページをめでたく飾ったこと、

情報源を広めるべく、日本人のメディア関係者に

コンタクトを試みていること等、色々話しました。

その中で、

「僕はこれまでスポーツ関連の業務経験が全くなかった。

 そういう意味で、この仕事をもらえたことは本当によかったと思っている。」

という話をすると、彼はとボソッとこう返してきました。

 

「そう、僕もスポーツ関係の業務を経験してないんだよね・・・。」

 

僕たちは夢と希望を抱えている一方で、不安も葛藤も背負っている。

 

南米から来たクラスメートは、スペイン語が母国語として使えるにも関わらず、

人種差別がひどいからという理由で、多くの人が憧れる

スペイン・リーガエスパニョーラのクラブでは働きたくない、という。

 

アジアから来た別のクラスメートは、

自分と同じ国出身の生徒が周りに多すぎて、

英語の上達のためには、嫌われてもいい覚悟で

彼らと距離を置かざるを得ない、という。

 

僕自身、複雑な英語表現ができず、説得力のある意見を授業で全然言えていない。

ヨーロッパで働こうとしても、語学力やVISA等の問題で、就職はまずもって難しい。

日本に戻っても、果たしてきちんとスポーツ業界に就職できるのか。

自分の経歴はどれだけ評価してもらえるのか。

満足の得られる仕事ができるのか。

 

みんな、何かを変えたいと思ってこの大学に来た一方で、

自分では(ほぼ)変えられない何かと葛藤している、

というのを、クラスメートと話していて強く感じます。

 

正直に言って、今僕たちがパブで話している内容は、

まだ「サッカー好き同士の国際交流」にしか過ぎません。

 

「俺はブラジル人だけど実はアルゼンチンサッカーの方が好きなんだ。」

「インドでは同じプロ選手になるにもクリケットの方が圧倒的に給料が高いんだ。」

 

それはそれで新しい発見もあるけれど、

でもこの程度の会話に終始することに、本当の意味で満足するレベルだったら、

僕達はわざわざこのMBAになんて来ていない。絶対。

 

キャパシティー以上の負荷をかけながら、

後悔覚悟でここに来た僕らは、もっと色んなことを共有していけるはず。

それができれば、パブでクラスメートと話す時間も、

教室で教授の授業を受ける時間と同じくらい

大きな価値のあるものに変えていけるはず。

 

サッカービジネスの知識をもっと広めて、

英語力にもっと磨きをかけて、

自分の立ち位置もきちんと確立させて、

次のステージに早く進みたいと思っています。

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて