ロケットボーイ
気持ちをリフレッシュするべく、約10年前に一度だけ観て
覚えていた、日本のあるドラマのワンシーンを観ていました。
あまり有名ではなく、ピンと来る方は少ないと思うのですが、
「ロケットボーイ」という、織田裕二主演(&宮藤官九郎脚本)のドラマです。
僕が観ていたのは、
織田裕二扮するサラリーマンが30歳で会社を退職し、
日本人宇宙飛行士になるべく、JAXA(NASAの日本版、当時NASDA)
の面接を受ける、というシーンです。
彼は足を骨折していたにも関わらず、車椅子姿で面接に参加したところ、
面接官から訝しがられて「怪我が治ってから出直して来てください」
と言われてしまいます。
その時彼は咄嗟に(無理やり)反論します。
「今までは訓練された、限られた人だけが宇宙に行けるに過ぎなかった」
「今後は誰もが宇宙に行ける時代がくるはずですよね」
「だったら僕みたいに骨折している人間が宇宙に行けばどうなるか、
実験する必要がありますよね」
困惑する面接官達に対して彼はこう付け加えます。
「失敗したら(自分を)宇宙ゴミとして廃棄してもらって構わない。
もう地球に未練はありません。僕の全てを宇宙開発に捧げます」と。
それに対し、実際に元宇宙飛行士の毛利衛さん扮する、
一人の面接官がこう応えます。
「素晴らしい。宇宙飛行士に必要なのは、その情熱です」
しかし結局織田裕二は、残酷なほどあっさりと
その試験に落ちてしまいます。
今の僕にとってはあまりにも生々しく受けとめられる場面です。
情熱だけで何かを達成できるわけでは決してありません。
経験、能力、運。他にも要素はいくらでもある。
ただ、頼れるものが見つからない状況に自分の身を置いたとき、
唯一の拠りどころになるのは、きっとやはり自分で抱える想いの強さだ、
と思います。だから、困難にどれだけぶつかっても、
自分の人生に期待することだけは決してやめないでおこう、
と今思っています。
ちなみに僕は大学生時代、就職活動の一環でJAXAの試験を受けています
(僕も残念ながら就職はかないませんでしたが・・・)。
失敗することも決して少なくはありませんが、やりたい、できそうと思ったことを、
「思いつき」と周りから言われてもヘラヘラしながら
とりあえずトライしてきました。
失敗を避けるのではなく、失敗を覚悟した上で自分の可能性と真剣に
向き合い続ける中でこそ見えてくるものもあるのではないでしょうか。