イギリスで学ぶサッカーMBAのブログ

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チャンピオンズ・リーグに行ってきました

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先日、チャンピオンズ・リーグの試合を取材してきました。

まぎれもない、世界最高峰の舞台です。

 

両クラブともに自国リーグでトップ争いを繰り広げている一方、

欧州を舞台にしたこの試合では、明暗がくっきりと分かれました。

 

非常に印象的だったのは、この大会における目標を果たせなかった片方の監督に、

試合後の記者会見であるリポーターから、辞任に言及する質問が

向けられたシーンでした。

 

記者席より一段高くなっている段上は、

その瞬間、いわば処刑台のようにすら僕には見えました。

 

試合に敗れて望みが絶たれ、

ただでさえ落ち込んでいるはずの監督が、

こうして試合後に追撃を受けている。

 

過去に別の名門クラブでリーグ3連覇という偉業を成し遂げ、

昨シーズン移籍したこのクラブに44年ぶりのリーグ優勝をもたらし、

今もなおクラブを自国リーグの首位に維持させていてすら、

いつ解任の憂き目に合うかわからない。

 

そんな環境に身を置く監督のもとで

選手たちが繰り広げる試合というのは、

本当に尊いものなんだと心から強く感じました。

 

 

僕はこれまで、特に競技面において、

サッカーを実はよく分かっていないんです、

などということを言っていました。

 

周りから「アイツはサッカーをよく分かっていない」

と言われることなんて百も承知だから、

はじめから自分でそう言っておこう、と。

 

でも、もう今後そういうエクスキューズをするのはやめたいと思います。

こんな文字通り世界最高峰の舞台を垣間見ることができるのは、

フットボール界でも、メディアで働く人の中でも、

本当に限られた数にしか過ぎないはずです。

 

そんな場に行くことを許されて、素晴らしい経験をさせてもらった中、

一種の甘えみたいなものは、もう無くしてしまいたい。

 

批判されないアマチュアの立場で自由気ままにやるのではなく、

批判されてでもしがらみに巻き込まれてでも、
立ち位置を明確にして、責任を伴いながら組織や社会に貢献していく

プロの居場所に、自分は早く辿り着きたい。

心からそう思っています。

beoさんに通っていました

何人かの方から留学前の準備について質問をされたのですが、

僕はbeoという留学予備校に、約1年通っていました。

 

他の留学予備校と同様、費用的には決して安くはありませんが、

僕自身はここにして本当によかったと思っています。

多分、ここを通していなければ、

希望するような形での留学はできていなかったと思います。

 

<講師の方々>

サイトの講師紹介ページをご覧になるとおわかりになると思いますが、

プロフェッショナルなバックグラウンドを持つ先生方が本当に多いです。

一度こっそり採用倍率を教えていただいたことがあるのですが、

かなりの高倍率だったと記憶しています。

 

普段英会話学校で趣味程度に英語を習う人向けの授業しかしていない講師だと、

アカデミックイングリッシュの教え方が得意でなかったりします。

その点、beoに採用されている講師の方々は、日本のハイレベルとされる

大学や企業での経験を積まれている方が多く、beoでの授業そのものも、

かゆいところに手が届く、つまり「あぁ、そういうところ教えてもらいたかった!」

という気分になれる授業でした。

 

少し残念なのはそういった素晴らしい講師の方々も、事業の特性上、

帰国等の理由でどうしても入れ替わりが発生してしまうこと。

素晴らしいと思える講師の方がお辞めになるのは、やはり寂しいものがあります。

ただ、その分また新たな講師の方との出会いもあったりするのですが。

 

<スタッフの方々>

僕の場合は特に、スタッフの方々にお世話になっていました。

カウンセラーの方々には志望校選定や勉強の仕方、留学前手続きなどで

失敗しないように時間をかけて丁寧な説明をしてくださいましたし、

留学前の揺れるオトコゴコロを何度も力強い言葉で励ましてくださいました。

 

勉強で疲れ切った表情をしている時には、受付の方々が

優しい言葉をかけて癒してくださってましたね。

 

あと、beoで知り合ったクラスメートと立ち上げた勉強会向けに、

無料で空き教室を貸していただいたりとか。

 

それから、「ホッチキスご自由にどうぞサービス」

を始めてくださったということもありました。

 

エッセイや論文などで、大量に紙をプリントアウトすることがあって、

当然プリンターは用意されているのですが、

紙をとめるホッチキスは自分で用意しないといけない。

 

でも僕たちの代はめんどくさがって、自分のを持ってこずに、

受付に行ってホッチキスを借りる生徒が続出した。

 

僕が「いちいちお借りしにくるのもお仕事の邪魔をするようで

なんだか申し訳ないので、プリンターの横に

ホッチキス置いてくれませんかねぇ・・・」

と受付の方につぶやいてみたところ、約3週間後のある日、

プリンターの横にひっそりと新品のホッチキスが

(しかも高額そうなのが2台も)。

 

本来なら「自分のホッチキスを持ってこい」というお話しながら、

こうしたスタッフの方の心遣いはありがたかったです。

 

卒業後こっそり聞くところによると、

あるダイレクターの方が気を利かせて決裁してくださった、とのこと。

周りの生徒はみんな当たり前のように使っていましたが、

芯の補充等の費用や手間を考えれば、

こういうことでも社内調整がいるはずなんですよね。

その方には他にも色々お世話になっておきながらも、

留学前に時間が取れずお会いできないままだったので、

この場を借りてひっそりお礼を申しあげたいと思います。

 

 

もちろん、他の学校を僕は知らないので、比較論で語ることはできませんし、

僕以外の全ての生徒が100%の満足度だったとは限りません。

この先対応される方やサービスの範囲も異なるでしょうし、

あくまで僕個人としての感想・経験、という前提でご理解ください。

 

参考までにリンクを貼っておきますので、留学準備の際の選択肢の一つとして

検討されてみることをお勧めします。無料セミナーも充実しています。

 

http://www.beo.jp/

 

ちなみに僕がここに初めて行ったきっかけは、

国連英検を受ける予定が、寝坊して試験開始時刻に間に合わなかったこと」

でした。

 

いつか留学したい!等と息巻いていながら試験日に寝坊する、

などという自分のダメ人間っぷりに嫌気がさし、

「さすがにこのままじゃマズイ」と思って

とりあえずその足でオフィスに向かい、

概要説明を聞きに行きました。

 

良し悪しはともかく、今となってはあの寝坊が僕の留学を決定づける、

大きなターニングポイントでした・・・。

想像していたことが実現しようとしている

日本サッカー協会がヨーロッパに拠点を設ける、

というニュースが飛び込んできました。

 

多くの人にとっては、数あるニュースの内の一つにしか過ぎませんが、

僕にとっては興奮を隠しきれないニュースです。

<参考URL>

http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2012/11/16/kiji/K20121116004563630.html

 

なぜかというと、業界の色々な動きを見ていて、

自分が予測していた通りのことが起こったからです。

 

出国前に「もしかしてこういうことがあるんじゃないか」と、

探りを入れていたのですが、めぼしい情報が特に出てこず、

単なる空想の域を超えませんでした。

 

今まで心の中で想像していたことが、現実の世界で実現しようとしている。

これは非常に不思議な感覚です。

 

日本サッカー協会は、「2015年までに世界のトップ10入りを果たす」

と目標を掲げています。現在のところ、

W杯での日本の最高順位はベスト16、

FIFAランキングは24位です。

 

2015年までの目標達成、そして2016年以降の

順位の維持・向上のためには、更なる施策が欠かせません。

欧州拠点は、その施策の実現の上で、間違いなく大きな役割を担います。

 

できることなら、僕もそこに関わっていきたいと思っています。

 

僕はもしスポーツ業界・サッカー業界に転職できなかったら、

「1年間という、長い長い夢を見させてもらっていたんだ」

と考えることにしていました。

 

でも、今、幸運なことに、夢と現実の境界線が

見えなくなっているように感じています。

 

結局、夢と現実は離れたところにあるのではなくて、

現実は夢に反映されるし、夢を見ることは現実の一部。

 

いつか、自分の夢と日本サッカー界の夢が重なり合う瞬間に

立ち会うことができれば、それは人生で最高の瞬間です。

うまくいく予感

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ブラジル人クラスメートが開いてくれたホームパーティーで、

新たなプロジェクト案が持ち上がりました。

もしきちんとうまくオーガナイズできれば、

とても素晴らしいものになるのではないかなと思っています。

 

「俺はこうしたい」

「いやいやこうした方がもっとうまくいく」

 

はじめはソファに座って話していたみんなが、

興奮を隠しきれず次々に立ち上がり、

口角泡を飛ばして議論を交わす姿は、

まるで映画のワンシーンを見ているようですらありました。

 

何より僕が手応えを感じたのが、

この案が学生の多様性(出身国)と

共通点(仕事のバックグラウンド)を

ある程度活かせるものになり得ること。

 

決して特殊なことをするわけではないのですが、

地に足のついた、着実性のあるところに、

何となくうまくいきそうな予感を感じています。

 

 

これまで、去年の先輩とお話しさせてもらう中で、

興味深いデータを教えてもらえる機会がありました。

それは、インターンシップの獲得率と卒業後の就職率の低さです。

 

決して期待してはいけないと覚悟はしていましたが、

経歴的にも人間的にも素晴らしいものを持っている方たちが、

ここまで苦労を強いられるのか、と改めて思い知らされまます。

 

ちなみに、「金満クラブ」とまで揶揄されるような、

イングランド・プレミアリーグのトップクラブに就職できたとしても、

初任給はイギリスの法律で定められた最低給与水準です。

 

授業やゲストスピーカーセッションで、

自分の可能性に最大限の希望を見出す一方で、

目を背けたくなるような現実を突きつけられる。

この希望と現実の落差は、やはり尋常ではありません。

 

僕は今、通信員業務を務めているので、

それを実質的なインターンシップと捉えています。

でも、クラスメートが後々インターンシップを獲得できる保証が、全くない

(僕だって、色んな条件が偶然に重なって仕事をいただけたに過ぎません)。

 

個人的には、インターンの機会くらい大学が希望者全員に保証して欲しい

と思っているのですが、残念ながらそこには至っていないのが現状です。

 

だから、クラスメートがインターンシップ

仮に獲得できなかったとしても、

就職活動時に充分PRできるような活動を、

自分たちの手で生み出していきたいと思っています。

 

もちろん、既にサッカー界にいらっしゃる方、

これから関わりたいと思っていらっしゃる方に

役立つものにするべきなのは言うまでもありません。

 

とにかくこれが1年続けば、来年度の後輩に向けた

ささやかなプレゼントにもなる

(インターンを補完する課外活動のオプションとして)。

 

クラスメートの気持ちを焚きつけながら、

僕がこの学校にいた足跡を残してやろうと思っています。

ヒゲが何の役に立つというのか

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僕はあんまりヒゲが生える体質ではありません。

ヒゲの生物学的な必要性もあまり感じていません。

 

(唯一、「ブラウンモーニングレポート」

    ※サラリーマンが出勤途中にヒゲを剃る、あのテレビCM

    への出演が決まった時は、ヒゲがあまりないと剃り具合がキレイに映らないので、   「ヒゲもっと生えろ!」と鏡台に向かって念じましたが。)

 

ヒゲと同じく、卑下の必要性もここに来て感じなくなりました。

 

出自、学歴、語学力、業務経験。

 

「自分はあの人には敵わないんです」

「何ができるかが全く見つからないんです」・・・。

 

自分を誰かと比較することで、自分のdisadvantageを相対化していくことは必要。

自分の不得意分野を相手に伝えて、過剰な期待をされないようにするのも大事。

 

でも、それらを通り越して、ネガティブな要素をまるでアピールするかのように

周りに伝えたところで、何にもならない。

考え尽くせていない自分、能動的に動こうとしない自分に対して、

言い訳をしているに過ぎないだけなんじゃないか。

 

ヒゲも卑下も別にいりませんよ、というお話でした。

本格フワフワサンタさんのヒゲ

本格フワフワサンタさんのヒゲ

不定期連載 " Sports Graphic Fimber"

作者取材のため、今週はお休みします。

ご了承ください。

英国式ミルクティーの淹れ方

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ミルクティーの淹れ方、というと

紅茶をまずティーカップに淹れて、その後ミルクを注ぐ、

というのが僕たち日本人にとっては一般的なイメージですよね。

 

ところが、ここイギリスでは、

「ミルクを先にコップに注ぎ、その後紅茶を淹れる」

という方法があります。

 

僕自身聞きかじってはいたものの、

実際にミルクが先に注がれる光景を目の当たりにしたときは、

なかなか衝撃的でした。

 

実は、「ミルクを入れるのは先か後か」というのは、

長年論争の的になっていたらしく、

ついにはイギリスの王立化学協会が

「ミルクが先だ」と結論付けたそうです。

 

<ご参考>

和文:http://www.takanashi-milk.co.jp/tea/index.html

 

どうやら化学反応の関係で、ミルクを先に注ぐと

さっぱりした風味になる、とのこと。

 

僕は食べ物や飲み物については風味の強い方が好きなので、

「ミルクは後に入れる派」を貫いているのですが、

イギリスの正統派を味わってみたいという方や

飲み比べてをしてみたいという方は、

ぜひ一度試されてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

ところで、上記のタカナシ乳業のサイト(和文)に掲載されている

「ミルクと紅茶のお話 第3話」に、こんな興味深いフレーズを見つけました。

 

「おいしさとは、忘れることです。」