イギリスで学ぶサッカーMBAのブログ

itaru.nagata[at]gmail.com←ご連絡はコチラまで([at]を@にしてお送りください)

3か月経って見えてきたもの

f:id:itarunagata:20121221103828j:plain

第一セメスターが終了しました。

イギリスに来てから駆け抜けるように過ぎていったこの3か月。

失うものは無いと思っていたし、得られるものも見えなかったから、

後先考えずにここまで突っ走ってきました。

 

掴んだものは本当にたくさん。充実している、

という言葉ではとても表現しきれないくらい、素晴らしい経験が出来ました。

悔しかったこと、掴み損ねたこともたくさんあるけれど、

それを糧にして得られたものもあるから、

全部ひっくるめて良かったと思うことにします。

 

留学前と今の自分を比較してみて、

二つの点で大きな進歩がありました。

 

一つ目は、自分にとってのサッカーの魅力が、ハッキリとわかったこと。

 

試合の取材で目の当たりにした勝負としての残酷さ、

そして名物教授が授業で述べたあるフレーズ。

この2つが相まって、自分がサッカーの何が本当に好きなのかが

ようやく見えてきました。

 

それは、「サッカーが紡ぎ出す世界観」です。

 

パスはチームメートがお互いに向けた無数のメッセージ交換。

ドリブルは相手との文字通り瞬時の駆け引き。

シュートは勝利への希望を託して描かれる放物線。

ファウルすら、勝利を渇望するプレイヤーの感情の発露。

これらのプレーが試合の中で、守備と攻撃の連動性を帯びながら、

力強い美しさで観客に訴えかけてくる。その世界観こそが、

僕の感じるサッカーの魅力だということです。

 

二つ目は、最終的に自分が理想とするアプローチが少しずつ見えてきたということ。

具体的に言うと、「グローバルな視野で、サッカーを社会面やビジネス面から捉え、

日本中のファンにメディアを通じて発信していくことで、より成熟した見方ができる(=多様な視点を持てる)ファンを増やしていきたい」

ということです。

 

このブログを始めた時に書いたことですが、

元日本代表監督の岡田武史さんが、

「Jリーグができてはじめの10年で選手がプロになった。

 次の10年で監督・コーチがプロになった。

 その次の10年はスタッフがプロになる番だ。」とおっしゃっています。

僕は、さらにその後の10年は、ファンがプロになる番だ、と今思っています。

 

「あのクラブは監督がすぐ入れ替わるからダメなんだ」と普段言いながら、

降格圏内になった途端「監督変えなきゃダメだよ」と言い出す人、

案外多いと思いませんか。

 

負けが込んでいるクラブのフロントを無能、バカと口汚く罵っておきながら、

試合結果以外でクラブを評価する基準を持ち合わせていない人、

結構多いと思いませんか。

 

プロは結果が全て、と言う人は数多くいます。

でもそれって実は、結果以外にクラブの状態を把握するための情報や、

分析する術を持ち合わせていないのを隠れ蓑にして、

結論付けるのが容易い結果論を正当化しているだけに

過ぎないケースも多いのではないでしょうか。

 

だとしたら、プレーヤーサイドと同じように、

ビジネスサイドからの情報発信もたくさんしていって、

ファンがサッカーを考える余地をもっと生み出していけたらいいのではないか。

そうしたら、日本サッカー界は一段階成熟して、新たなステージに上がれる、

そんな気がします。

 

とにかく、僕にも貢献できる領域が、日本サッカー界にはまだ残されているはず。

自分のこの手応えを信じて、次の3か月はさらなる勢いで走り抜けようと思います。