イギリスで学ぶサッカーMBAのブログ

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日本のダイナミズム

ドイツのブンデスリーガ(統括団体)が、

日本語サイトを開設しました。

http://www.bundesliga.com/jp/

 

欧州サッカー界で、日本という国が存在感を確実に

高めていることを表す、一つの実例だと僕は思っています。

 

僕がヨーロッパに来てこれまで、欧州で働くサッカー関係者の

少なくとも50人以上と話す機会がありました

(この数はおそらく、クラスメートの誰よりも多いはずです)。

 

その中で感じたのは、日本が今「新たな有望選手の発掘先」と「顧客の開拓先」

という両方の側面で、欧州の関係者からの注目を浴びている、ということです。

 

下記記事を読んでもらうとおわかりになるように、

ブラジルやアルゼンチンと比較すると絶対数こそ少ないですが、

日本人選手の欧州移籍の増加件数については、

世界でトップレベルの大きな勢いを誇っています。

 

 http://www.goal.com/jp/news/3476/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2/2012/12/15/3603821/%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E4%B8%BB%E8%A6%81%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0%E7%A7%BB%E7%B1%8D%E5%A2%97%E5%8A%A0%E6%95%B0%E3%81%A7%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%8C%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%EF%BC%95%E5%85%A5%E3%82%8A

以前は日本通とされているアーセナルベンゲル監督等、

ごく少数の人間が注目するに留まっていました。

しかし最近は、香川選手の例に見てとれるファーガソン監督や、

木下選手にオファーを出したとされているマンチーニ監督など、

世界的な強豪を率いてタイトルを獲得している監督が、

軒並み日本人選手に注目を向けています。

 

一方で、クラブの経営(チーム強化ではなく、ビジネス面)を担っている幹部や、

マーケティング担当の方々から話しを聞いていると、

「中国・インドに次いで、日本をビジネスマーケットとして重要視している」

という言い方をされます。実際に、試合日にマンチェスター・ユナイテッド

スタジアムにあるオフィシャルグッズショップに行くと、来店客の約15%が

日本人でした。また、ピッチ横の電子看板では、日本語のメッセージが

試合中頻繁に表示されます。

 

僕が興味深いと思うのは、「選手の発掘先」と「顧客の開拓先」

という、両方の観点で欧州から高い注目を浴びている国、つまり
「いい選手が出てくる上に、ファンがグッズをいっぱい買ってくれそうな国」は、
世界でも本当に限られているのではないか、ということです
(これについては、MLBにおける日本の野球選手とファンも
同様かもしれません)。

 
インドや中国は、有望選手の輩出先とはまだ見られていません。

アルゼンチンも、一般的な評価として、

市場としての魅力が高いという話しはあまり耳にしません。

 

韓国も、欧州クラブに所属している選手は一定数いるものの、

人口約5000万人であることを考えると、

日本のほぼ半分で魅力にはいささか欠けるマーケットです。

 

こういったことを考えていくと、日本の他に考えられるのは

ブラジルぐらいでしょうか。

 

ある1つの側面からのみ注目されているということではなく、

複数の側面から注目されているというのは、長期性をもたらす

(つまり一過性のブームでは終わらない)という点で、

非常に重要なことだと僕は思っています。

欧州のみならず、アジアや南米やアフリカで、日本の存在感がもっと高まって、

世界中でさらなるダイナミズムが生まれていって欲しい。

いつか僕が立つのは、それを見届ける場所ではなく、
作り出す場所でいたいと思っています。